ローン購入に必要 不動産物件の鑑定をするアプレイザル(Appraisal)とは?
ハワイで中古不動産物件をローンでで購入する場合、住宅ローン会社はいくつかの審査をします。 その中に、購入しようとしている不動産が適切な価格で購入しているかを審査する、アプレイザル(Appraisal)を求められることがあります。
今回は不動産物件の鑑定をするアプレイザルのお話です。
アプレイザル(Appraisal)とは?
不動産を購入する際に買い手が住宅ローン(Mortgage Loans)を利用する場合、ローン会社が不動産を担保とするために、その不動産に担保価値があるかを鑑定する事です。
住宅ローン購入しない場合は、アプレイザルの必要ありません。
不動産鑑定を行うのはハワイ州のライセンス保有したアプレイザー(Appraiser)が行います。通常、アプレイザーはローン会社から依頼を受け鑑定をします。
過去3ヶ月〜6ヶ月の間に周辺で売却された不動産情報や、周辺環境(有効使用状況など)を判断し、アプレイザルバリュー(査定価格)を算出し、レポートにまとめます。
ローン会社は提出されたレポートを参考に、融資額を決定します。
なぜアプレイザルが必要なの?
中古の不動産を購入する場合には、住宅ローン会社は買い手が支払いできるかの調査をします。 不動産価格が100万ドルだった場合、
不動産価格100万ドルに対する融資額
- 買い手 25万ドル を頭金(25%)
- ローン 75万ドル をローン(75%)
を想定していたとします。
その際は75万ドルをローン会社が負担することになるのですが、アプレイザーによる不動産の鑑定結果が90万ドルと、実際の購入額よりも低くなってしまった場合にローン会社は、リスクを回避するために不動産価格の75%分の金額しか融資をしません。
ローン会社は購入金額ではなく、不動産価値に対して融資するということです。
不動産価格100万ドルに対する融資額
- 買い手 25万ドル を頭金
- ローン 67.5万ドル をローン(90万ドルの75%)
- 不足金 7.5万ドル の不足
この不足金を買い手は頭金を増やすなどして補填しなければなりません。
アプレイザルの結果
アプレイザルの結果が低かった場合、不足している資金を調達しなければなりません。
その際、どういった回避策が考えられるでしょうか。
物件オファー時の要項に追加
物件オファー時の要項に、「アプレイザル結果が不動産価格と同じか又は上だった場合に購入します。」等の特別条項を盛り込むことで、もし鑑定結果が下がった場合はキャンセルすることができます。
売り手に交渉する
売り手に物件売却金額を交渉する方法です。
売り手も販売価格が鑑定よりも上に設定していたことを知る事になりますので、全額とは行かずとも、多少の譲歩をしてもらえる場合があります。
頭金を増やす
買い手が頭金を増やす事で解決します。
アプレイザル結果による契約破棄
残念ながら買い手は不足金の調達ができず、物件購入を諦めなければならない事態も予測されます。その場合は物件オファー時に要項に追加されていた場合は契約をキャンセルし、頭金も戻ってきます。
しかし、条項に入っていない場合は買い手の責任ですので、アプレイザルバリューが低かったことを理由に契約を解除することはできません。
その際、買い手の契約不履行となり、手付金に関しては売り手が回収できる権利があります。
そのため、交渉次第にはなりますが、頭金が戻ってこない可能性があります。
まとめ
住宅ローン購入する際には自分が選んだ物件が金額分の価値があるのか、アプレイザル結果が出るまで一喜一憂することになりそうです。
アプレイザルバリューは周辺環境により左右されるといわれており、例えば不動産の売買が頻繁に行われていない地域では対象データが少ないので、低く見積もられるケースもあるようです。