不動産契約後のホームインスペクション(Home Inspection)の話
ハワイでは売り主との不動産契約後、建物の検査を契約書の条項に従い7日または15日以内に実施する事ができます。
これをホームインスペクション(Home Inspection)とよびます。
今回は、なぜホームインスペクションが必要かをお話ししたいと思います。
建物の検査も契約条項
オープンハウスなどで物件を見学しても、一般的に見学は短い時間なので家の構造や建物の傷みなどは分かりません。
不動産契約書の一文に「契約後●日間に建物を検査して問題なかったら買うよ」という条項があります。
そのため買い手は、自身で詳しい検査、または自費でホームインスペークター(建物調査師)を雇い、建物の詳細をチェックしてもらう事ができます。
チェック項目サンプル
一般的にホームインスペークターは下記の項目をチェックし、コンドミニアムの場合は1時間〜2時間、一軒家の場合は3時間〜4時間(広さにより異なる)物件を確認し、後日レポートを提出します。
屋根検査
- 屋根カバー
- 屋根の溝や樋
- 通気口、水切り、天窓、煙突やその他の屋根貫通部
- 屋根構造
外観検査
- 外壁・ドア・デッキ・外階段・玄関などの外観
- 芝、道路に面する外壁
- 植物などが家屋に影響を与えていないか
構造検査
- 建物基礎
- 目視可能範囲の基礎構造
- 目視可能範囲の屋根構造
電気検査
- 配電盤
- 電気制御機器の動作確認
- 配線
配管検査
- シンク・トイレ・浴槽
- 水周りの配管
- 野外配管
インテリア
- 室内備え付けインテリアなどの経年劣化・致命的な傷等
- 壁・床・ドアなどが正常に動作するか、経年劣化・致命的な傷等
常備家電
- システムキッチンなどが正常に動作するか
- 電動シャッター等が正常に動作するか
暖房・エアコン設備検査
- 動作確認
ホームインスペクションのとの契約
ホームインスペクション依頼時に契約を結ばされます。
その中には「万が一見落としがあっても責任を取らない」という一文が記されています。
「それでは依頼をする意味があるの?」と思いますが、訴訟社会の米国では致し方ないのかもしれません。
ホームインスペクションにより問題が発生した場合
ホームインスペクション期間中に問題が見つかった時、買い主には以下の権利があります。
- 契約をキャンセルし、手付金を返納できる。
問題が軽度だった場合は、売り主と協議し、売主に修理を依頼する(売り主負担)または、修理費を売買代金から差し引くことができた事例があります。
しかし、売り主によっては交渉の余地がなく、修繕を諦めそのまま手続きを続けるという事もあります。
全ては売り主と買い主の交渉次第になります。
料金について
業者によって料金は変動しますが、ベッドルームの数とリビングの広さが費用に比例します。
コンドミニアムで$350くらい、一軒家で$450〜位が相場のようです。
まとめ
以上、ホームインスペクションについてまとめてみました。
不動産を購入してから重大な問題が見つかると、取り返しのつかない事もありますので、ホームインスペクションをオーダーした方が安全だと思います。