Lead-Based Paint(鉛入り塗料) とは?
1978年以前に建てられた不動産物件を売買する場合、売買契約を完了し、エスクローオープン後に売り手は鉛入り塗料(Lead-Based Paint)を物件で使用しているかについての情報を買い手に知らせなくてはなりません。
(1996年12月より施行)
Lead-Based Paint(鉛入り塗料) の影響とは?
昔は高濃度の鉛を含む塗料が多く存在し、日本でも被害が多く報告されています。
6歳以下の子供が鉛を含む塗料が塗られた壁に指をつけ、それを舐めた場合に、脳障害になる可能性があるとされています。さらに妊娠可能年齢の女性にも影響するとされています。
売り手の情報の開示
1978年以前の建物を売買する場合は、鉛入り塗料を使用していたかを証明するために、売り手は 「Disclosure of Information on Lead-Based Paint and/or Lead-Based Paint Hazards」という書面にて情報を開示しなくてはなりません。
そのため、開示書には予め「鉛入り塗料については知りません」「鉛入り塗料の情報を私は持っていません」という項があり、それにチェックをするという方式になっているようです。
鉛入り塗料の危険性に関するパンフレット
情報開示に合わせて、売り手は鉛入り塗料の危険性に関するパンフレットのコピーを買い手に渡さなければなりません。
売り手の情報の開示で「知らない」という事は「もしかしたら鉛入り塗料の被害が起きるかもしれない」という危険性を承知した上で、買い手は購入するという意思表示が必要になるということです。
物件の検討期間
この鉛入り塗料の開示は現代において、もう一つの契約に関するヘッジの側面を持っています。
1978年以前の建物を購入するときは「鉛入り塗料」の危険性があるため、売買契約が成立しても10日間の検討期間が設けられています。
検討期間中に調査をし、気に入らない場合は契約を破棄する事ができます。
裏を返すと、1978年以前の不動産を購入する際は、売買契約をしても10日間は契約が成立しない可能性があるという事になります。
まとめ
「知らない」という情報を開示し、それを了承しないと売買が成立しないという、なんともアメリカらしい手続きですね。