物件情報の閲覧時には必ず確認!所有権と借地権のはなし
ハワイの物件情報を眺めていると「お!お手頃価格!」と思って詳細をみてみると、LHと書いてあり、借地権物件であることがよくあります。
日本では「所有権」「借地権」「定期借地権」などが代表的ですが、ハワイで外国人に所有できる土地の権利はFee SimpleとLease Holdの2種類が代表的です。
不動産を所有する場合、この2種類を理解しておく必要があります。
今回のテーマは
- 所有権と借地権とは?
- 意外と知らないハワイの土地事情
について綴ってみたいと思います。
ハワイの土地のはなし
ハワイの歴史というと、一番に思い浮かぶのが「カメハメハ王朝」。
この王族による土地支配が受け継がれ、カメハメハ一世のひ孫にあたるビショップ・パウアヒ王妃が、ハワイアンの子弟のためにビショップ財団を作り不動産を残しました。
今でもビショップ財団が所有している土地が多くあり、この土地は財団保有のため簡単に買うことはできません。そのため現代でも借地となっている土地が多いといわれています。
Fee Simple(所有権)
土地の所有権を得ると、不動産を自由に売却や交換取引ができ、相続することもできます。
物件情報で表示されている場合、通常は土地と建物を含む価格です。
コンドミニアムの所有権は実際の部屋と、全体から比例分配された土地、比例分配された共有スペースが対象になります。そのため共有スペースの修繕費などを負担しなければならない場合があります。
Leasehold(借地権)
ハワイで1960年代から70年代に販売されたコンドミニアムは、借地権がほとんどでした。
建物はオーナー所有ですが、土地は土地のオーナーから借りることになります。
一戸建ても同様に、実際の建物は所有できますが、土地は土地のオーナーから借りることになります。そのため毎月の地代が必要になります。
さらに建物は所有になりますので、共有スペースの修繕費などを負担しなければならない場合があります。
地代は契約により一定期間で見直され、市場の状況に応じて値上がりします。
1960年代に契約し定められた期限が迫り、契約を更新しようとしたら地代が5倍〜10倍に跳ね上がってしまう例もあります。
そのため、物件によってはその土地を買い上げできる場合があります。これをフィーコンバージョン(Feeconversion)といいます。
コンドミニアムの場合は所有者が共同でフィーコンバージョンする例もあります。将来の値上がりへの不安感もあるので、1960年代の物件は1980年代にフィーコンバージョンした例が多くあったそうです。
借地権物件を購入する場合は下記のポイントをチェックしましょう。
- その地域の相場と現在の地代価格
- フィーコンバージョンができる物件か
- その物件の次の更新年
借地権だとデメリットが多い?
借地権のみだとデメリットが多いように感じますが、投資目的であればデメリットばかりではないようです。
借地権の物件は比較的安く売り出されており、始めから期限を定めて所有する事で、割安に手に入れる事が可能です。
しかし、購入したものは売り出さなければならないので、売却のタイミングなど、出口の戦略が必要になりそうです。
まとめ
所有権と借地権についてまとめてみました。
物件情報によってはFee SimpleをFS、LeaseholdをLHと略されて表記されておりますので、実際の物件情報でチェックしてみてください。